5年度税制改正大綱 マンション長寿命化促進税制を創設
2023/01/13
近年、高経年のマンションが増加しているが、高齢化や工事費の急激な上昇により、長寿命化工事に必要な積立金が不足しているケースも多く、大規模修繕が適切に行われていないケースが問題になっている。長寿命化工事が適切に行われなければ、外壁剥落や廃墟化を招き、周囲への大きな悪影響や除却の行政代執行にともなう多額の行政負担が生じることとなる。
そこで、必要な積立金の確保や適切な長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成を後押しすることを目的として、令和5年度税制改正大綱に「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」(マンション長寿命化促進税制)の創設が盛り込まれた。
改正の概要は、①管理計画の認定を受けたマンション等において、長寿命化工事が実施された場合に、その翌年度に課される建物部分の固定資産税額が減額される。②減額割合は、1/6~1/2の範囲内(参酌基準:1/3)で市町村の条例で定めることとなる。
対象となるマンションは、①築後20年以上が経過している10戸以上のマンションであること、②長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施していること、③長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保していること。
令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間に完了した長寿命化工事が対象となる。